適切な運動は、運動能力が高まることで心臓への負担が軽減し、心不全症状が軽減します。
また、うつ状態やストレス、不安の改善にもつながります。
心不全の原因疾患としてある糖尿病、高血圧、脂質異常症や肥満の改善につながります。
科学的に、心不全による再入院率や死亡率が減少することが明らかにされています6)7)。
6) p. 1210.日本循環器学会.心疾患における運動療法に関するガイドライン.Circ J.2002;66(Suppl).
7) Belardinelli R, et al. Circulation. 1999; 99: 1173-1182
ウォーキング、自転車エルゴメーター、軽いエアロビクスなどの有酸素運動がよいとされていて、開始時は週に3~5回、屋外での5~10分程度のウォーキングからはじめて、1か月程度かけて徐々に毎日30~40分程度まで無理のない範囲で伸ばしていくとよいとされています。過度な運動は心不全を悪化させるので注意してください。
できるだけ、専門医の心肺運動負荷試験を受け「運動処方箋」を出してもらい、有酸素運動を行うとともに、処方に基づいた適切なレジスタンストレーニング(スクワット、かかと上げ、もも上げ、ゴムバンドなど)が有効とされています。
レジスタンストレーニングの基本
レジスタンストレーニングとは、筋力をアップするため、筋肉に負荷や抵抗をかけて行う運動のことで、筋力をつけて運動を続けやすくすることに加え、基礎代謝を高めて健康を維持することが目的となります。
・息を止めずに行う(トレーニング中は自然な呼吸をしながら行ってください)
・体を大きく、ゆっくり動かす(反動をつけず、無理のない範囲で大きく動かしてください)
・小さな負荷から始める(運動負荷は、専門医の指示に従って、余裕があると感じる場合も徐々に大きくしていくようにしてください)